介護職は要介護者の介助に従事する仕事として、現代社会には不可欠な存在です。高齢化が進む中で介護職の必要性はさらに上がり、一定の社会的評価もある一方で待遇は決して良いとは言えないのが実状です。慢性的な人手不足に陥っている介護職は長時間拘束や休日出勤が横行し、1人当たりが担当する要介護者も法律の上限である9人を超えている介護施設は決して珍しくありません。また、介護職は要介護者の排せつ物を処理するなど不潔な作業に従事することも多く、高い社会的評価を得ながらも底辺の仕事と蔑まれている問題があります。人手不足を解消する目的で未経験者を多く雇用する介護施設もありますが、介護の知識に乏しい人員がトラブルを引き起こすケースもあります。
社会的評価は現代社会の円滑な動きに貢献していることが判断基準の1つなので、年々増加している要介護者の介助に不可欠な介護職は必然的に評価が高くなります。しかし、評価の高さは必ずしも仕事の質とは比例しないので注意する必要があります。待遇の悪さから仕事の質が低下し、それを是正せずに放置することが多い介護職は理想と現実のかい離が激しい仕事と言えます。介護職の問題点を大局的な視野で解決するのではなく、仕事現場で働く人の裁量に任せてしまう場当たり的な対処が横行しているのが大きな問題です。高齢化社会になった現代日本では欠かすことができない仕事ですが、介護職の社会的評価の高さとうらはらに様々な問題を抱えていることも忘れてはいけません。